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2023.01.02
今日は音楽の話を(4)~ブラームス 間奏曲(Op.118-2)~
「今日は音楽の話を」・・・
私の好きな曲のご紹介を定期的に書いていくつもりにしていたのに
前回はいつだったかなぁと見直して愕然。
なんと一昨年の10月でした。
昨年は、年明け早々から新型コロナの第6波に突入し、
息つく暇もなく第7波、その合間を縫って新型コロナワクチンやインフルエンザのワクチン接種
そして第8波・・・と
発熱外来とワクチン接種に明け暮れた年となりました。
何度か書こうと思ったことはありましたが
そんな時間も気力もなかった というのが正直なところです。
さて
今日ご紹介したいのは、ブラームスのピアノ曲「6つの小品」から第2曲目の「間奏曲Op.118-2」。
ブラームス晩年の作品です。
ブラームスといえば、一般的にはまず思いつくのは「ハンガリー舞曲」かもしれませんね。
私もそうでした。
あるとき、ラドゥ・ルプというピアニストのCD(ブラームス・ピアノ曲集)を友人が貸してくれました。
「ブラームスのピアノ曲といえばこの人。絶品だから一度聴いてみてください」と言われて受け取ったのですが
「ハンガリー舞曲」のあのイメージしかなかった私はあまり聴く気もなく・・・
でも返すときになにか言わないとね~と思って聴いてみてびっくり。
ショパンやリストのようなド派手な演出はないけれど、
ぐっと心に染み入る深い深い世界は、まるで宝石箱をあけたようでした。
すぐに楽譜を購入して、自分で弾いてみたら、これまたすごい!!
なにがすごいってうまく言えないけれど、ふか~くその世界に吸い込まれてしまいそうになるし、泣きそうにもなる。
たくさんあるブラームスのピアノ曲のなかで
私の最も好きなこの曲・・・「6つの小品」から「間奏曲Op.118-2」
ラドゥ・ルプの演奏でご紹介したいと思います。
こちら(👈クリック)からどうぞ(約4分半)
(写真はブラームス・・・Wikipediaより)
晩年のブラームスは、どんな想いでこの曲を書いたのでしょう。
クララ・シューマンへの「叶わぬ想い」を有名なエピソードとして話す人が多く
そういう人はたいてい「思いつめて書いているからどれも暗い曲になる」と言いますが、
私は決してそうは思わないのです。
ブラームスは20歳のときに、シューマンとその妻クララに出会いました。
シューマンはブラームスを「来るべき者が来た」と絶賛したそうです。
その後シューマンは精神を病み長い闘病生活を強いられますが、
ブラームスは7人の子供を抱えるクララを支え続けました。
そしてクララとブラームスは、クララの夫のシューマンが亡くなる3年前から実に44年にわたり
(クララが亡くなる直前まで)文通を続けました。
天才たちが出会うべうして出会い、生涯にわたって続いたお互いへの深い尊敬や友情は
単なる恋や愛という言葉では表しきれない、たぶん私たち凡人には計り知れないものだと思うのです。
なので、思いつめて・・・という表現は、私は好きではありません。
この曲の最後、主題に戻り長調で静かに幕を下ろすエンディング。
目を閉じて感じてください。
最後のA(ラ)の音を重ねるときについつい涙がこぼれそうになってしまうのは、きっと私だけではないはずです。
(あくまで私の勝手な解釈です。あまりアテにしないでください~笑)
(こちらはラドゥ・ルプのCDジャケット。なんとなくブラームスに似てる??)