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今日は音楽の話を

2023.01.03

今日も音楽の話を(5)~ショパン エチュード(Op.10-4)~

お正月、いかがお過ごしでしょうか。

私はどこにもお出かけせず、一日中自宅で過ごしています。
ゆっくりできていいわぁ~と思ったのは最初だけ。
朝食後ちょっとした家事が終わり、「さぁ私の時間」と思うと
「お昼ごはん、まだ~?」という声が聞こえてきます。
で、昼食の途中には「今日の晩御飯はなにするん?」と言われてちょっとイラっと。

もうね、みんなご飯ご飯とうるさすぎなんです。
いい歳してるんだから、ちょっとは自分でなにか作ってみれば?
・・・と言いたいところですが、台所を好き勝手に使われて汚されるのもなんとなく腹が立つものです。

ということで
食事の支度に追いかけられている毎日です。
(「え?お料理できるんですか?」という声が多数聞こえてきそうですが、これでも主婦歴30年です笑)

さて、ブログは今日も音楽ネタです。
誰もが知るショパン。
作品の大多数をピアノ曲が占め、「ピアノの詩人」とも呼ばれています。
「子犬のワルツ」「華麗なる大円舞曲」「軍隊ポロネーズ」「幻想即興曲」などなど
一度は聴いたことのある曲が多数あるのではないでしょうか。

今日ご紹介するのは、
ショパンが19歳から22歳の間に書いたとされる「エチュード(練習曲)」(全27曲)から
第4番(Op.10-4)です。

ピアノを習い始めると、まずハノンやツェルニーなどの練習曲をしっかり勉強させられます。
レッスンのたびにこれらの楽譜は必携で、指の練習に30分以上の時間が割かれます。
子供のころは、「なんでこんなつまらないことに時間を割くのかしら」と思っていましたが
今になってみると、練習曲はなくてはならないもの。
ここにピアノの技術の基礎が詰まっていると実感しています。

ただ、ショパンのエチュード達はちょっとわけが違います。
練習曲というにはあまりにも難易度が高いものばかりです。
当時のある高名なピアニストは
「手近に整形外科医を抱えていなければ、こんなものを弾いてはいけない」と言ったとか・・・。

でも素晴らしい曲が多く、
ピアノを弾く人間ならだれもが「一度は弾いてみたい」とあこがれる曲が満載です。
「革命」「黒鍵」「木枯らし」
たぶん一度はお聴きになったことがあるかと思いますが、これらはみんなエチュードなんですよ。

今日ご紹介の第4番はこちら(👈クリック)です。(約2分)
演奏はもちろん、私の大好きなウラジミール・アシュケナージです。

(自宅のCDのジャケットです)

  

ずっと通い続けているピアノのレッスン。
数年前にツェルニーがようやく「50番練習曲集」に突入し
「そろそろショパンのエチュードも勉強していきましょうか」と先生に言われたときは
飛び上がるくらい嬉しくて、1番から順にがんばるぞ!と思ったものの
1曲仕上がるのに数か月かかってしまうという恐ろしい事実・・・
しかもこの4番は、あまりに難しくて、譜読み期間を入れるとたぶん2年越しくらいでしょうか。
最近やっとそれなりのテンポで弾けるようになりましたが、
👆のCDを家でかけていると、子供たちに「全然違うやん」と笑われています(涙)。

2023.01.02

今日は音楽の話を(4)~ブラームス 間奏曲(Op.118-2)~

「今日は音楽の話を」・・・
私の好きな曲のご紹介を定期的に書いていくつもりにしていたのに
前回はいつだったかなぁと見直して愕然。
なんと一昨年の10月でした。

昨年は、年明け早々から新型コロナの第6波に突入し、
息つく暇もなく第7波、その合間を縫って新型コロナワクチンやインフルエンザのワクチン接種
そして第8波・・・と
発熱外来とワクチン接種に明け暮れた年となりました。
何度か書こうと思ったことはありましたが
そんな時間も気力もなかった というのが正直なところです。

さて
今日ご紹介したいのは、ブラームスのピアノ曲「6つの小品」から第2曲目の「間奏曲Op.118-2」。
ブラームス晩年の作品です。
ブラームスといえば、一般的にはまず思いつくのは「ハンガリー舞曲」かもしれませんね。
私もそうでした。
あるとき、ラドゥ・ルプというピアニストのCD(ブラームス・ピアノ曲集)を友人が貸してくれました。
「ブラームスのピアノ曲といえばこの人。絶品だから一度聴いてみてください」と言われて受け取ったのですが
「ハンガリー舞曲」のあのイメージしかなかった私はあまり聴く気もなく・・・
でも返すときになにか言わないとね~と思って聴いてみてびっくり。
ショパンやリストのようなド派手な演出はないけれど、
ぐっと心に染み入る深い深い世界は、まるで宝石箱をあけたようでした。
すぐに楽譜を購入して、自分で弾いてみたら、これまたすごい!!
なにがすごいってうまく言えないけれど、ふか~くその世界に吸い込まれてしまいそうになるし、泣きそうにもなる。

たくさんあるブラームスのピアノ曲のなかで
私の最も好きなこの曲・・・「6つの小品」から「間奏曲Op.118-2」
ラドゥ・ルプの演奏でご紹介したいと思います。

こちら(👈クリック)からどうぞ(約4分半)

(写真はブラームス・・・Wikipediaより)

晩年のブラームスは、どんな想いでこの曲を書いたのでしょう。
クララ・シューマンへの「叶わぬ想い」を有名なエピソードとして話す人が多く
そういう人はたいてい「思いつめて書いているからどれも暗い曲になる」と言いますが、
私は決してそうは思わないのです。
ブラームスは20歳のときに、シューマンとその妻クララに出会いました。
シューマンはブラームスを「来るべき者が来た」と絶賛したそうです。
その後シューマンは精神を病み長い闘病生活を強いられますが、
ブラームスは7人の子供を抱えるクララを支え続けました。
そしてクララとブラームスは、クララの夫のシューマンが亡くなる3年前から実に44年にわたり
(クララが亡くなる直前まで)文通を続けました。
天才たちが出会うべうして出会い、生涯にわたって続いたお互いへの深い尊敬や友情は
単なる恋や愛という言葉では表しきれない、たぶん私たち凡人には計り知れないものだと思うのです。
なので、思いつめて・・・という表現は、私は好きではありません。

この曲の最後、主題に戻り長調で静かに幕を下ろすエンディング。
目を閉じて感じてください。
最後のA(ラ)の音を重ねるときについつい涙がこぼれそうになってしまうのは、きっと私だけではないはずです。
(あくまで私の勝手な解釈です。あまりアテにしないでください~笑)

(こちらはラドゥ・ルプのCDジャケット。なんとなくブラームスに似てる??)

2021.10.12

今日は音楽の話を(3)~伝説のチェリスト~

前回はリン・ハレルというチェリストをご紹介しましたので
同じ楽器繋がりで
伝説のチェリストといわれたジャクリーヌ・デュ・プレをご紹介します。

4歳でチェロを始め
10歳で国際的なコンクールに入賞
16歳でデビュー、世界的に認められる
21歳で国際的指揮者&ピアニストのダニエル・バレンボイムと結婚
しかし26歳のときに不治の病が発覚し、28歳で引退
42歳で死去

という、なんとも悲劇的な運命のチェリストですが
私がこの人を知ったきっかけは音楽ではなく
この人の名前がついたバラに出会ったことなのです。

白いふわふわの花びらと印象的な花芯
そして素晴らしい香り!
こんなバラの名前になるなんて
いったいどんな女性なのだろうと興味津々でCDを買って聴いてみました。
たしかサン・サーンスの「白鳥」だったと思いますが・・・
繊細なとても女性的なバラのイメージとは違って
かなり男性的な太い音にびっくりした・・・という記憶があります。

イメージとかなりかけ離れていたため
しばらく彼女のCDは聴かなかったのですが
最近、自分がチェロやバイオリンなどの伴奏をするようになってから
改めて色々なプロの演奏を聴いてみて
やはり彼女は天才なんだ・・・と実感する今日この頃です。

さて・・・
写真はバラのジャクリーヌ・デュ・プレ。

夢見るような花姿ですが
普通の方々がイメージする「バラ」とはかなり違うのかな と思ったりします。

そしてそして
このバラの姿から、どんなチェロの音を想像されたでしょうか。

こちら(👈クリック)に私の好きなブラームスの「チェロ・ソナタ」という曲をのせておきますね。
ピアノ伴奏はご主人のバレンボイムです。
ほんのさわりだけ、3分ほどです。

けっこう、太い音・・でしょ?

これ以外にも、彼女が演奏している動画がたくさん残っています。
音だけ聴くよりも、実際に演奏している姿をご覧になった方が
絶対に彼女を好きになると思います。
興味があればYouTubeで検索してみてくださいね。



2021.09.22

今日は音楽の話を(2)~ヴォカリーズ~

コロナ関連の記事続きでしたので、ちょっと休憩を。

前回、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」
というかなり長めの曲をご紹介しましたが
何人かの患者様に「聴いてみましたよ」と言っていただきました。

今回は、同じ作曲家の「ヴォカリーズ」という曲です。
ヴォカリーズとは、歌詞がなく母音だけで歌う方法と辞書には書いていますが
イメージ的には、歌手が発声練習のときに「ドレミファソファミレド」を「あああああああああ」と
歌っている感じ でしょうか。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は、この方法で歌うことを指示した声楽作品 ということになります。

といっても、実際のこの曲は声楽曲として聴くことはほとんどなく(私だけかもしれませんが・・・)
弦楽器(ヴァイオリンとかチェロ)や管楽器(フルートなど)が主旋律、ピアノが伴奏
というパターンで聴くことが最も多いのではないかと思います。

さて、私がこの曲を自分で弾きたいと思ったのは、もう20年くらい前でしょうか・・・
リン・ハレル(チェロ)とウラジミール・アシュケナージ(ピアノ)の演奏を聴いたとき。
まず出だしのチェロの温かい音に感動し
そして曲の最後、チェロとピアノが終止に向かって一瞬の高揚をみせる場面では
ポロポロと涙がこぼれました。
予想外のことに自分でも驚きました。
こんな演奏ができたらいいなぁと思いながら・・・もう20年かぁ・・・(溜息)

ヴォカリーズは大変人気の曲ですので
様々な楽器バージョンに、いろいろな人が編曲しています。
わざわざCDを買わなくても、今はYouTubeという便利なツールがあります。
どの人の演奏が、どの楽器が・・・など、いろいろと聴き比べされてみると面白いと思います。

私の好きなリン・ハレル&アシュケナージの演奏もYouTubeでお聴きいただけます。
こちら(👈クリック)からどうぞ♪

******

そうそう昨年、ピアノ独奏の楽譜を見つけました。
アール・ワイルドという人が編曲していますが、これがまた超絶難しい!
でもすごく華があって、なにより、独りでこの曲を演奏できちゃうところが素敵すぎ・・笑
暇をみつけてぼちぼちと練習しています。
いつか医院のミニコンサートが復活したら、皆様の前で披露できたらいいな~と思っています。

2021.08.14

今日は音楽の話を(1)~パガニーニの主題による狂詩曲~

お盆の期間、いかがお過ごしでしょうか。
コロナの勢いが止まらないまま、大雨の被害が各地で起こっています。
年間通して大雨や大雪などの影響があまりないここ堺市でも、雨風による警報や避難勧告が一時出ました。
それに伴い、ワクチンの集団接種&大規模接種が中止になるなど、
どちらを向いても行き詰まり感があるような毎日です。。。

さて、今日はちょっと音楽の話題でも。
先月、CDプレイヤーを新調しました。
学生時代から30年近く使用していたものがダメになり
でも今さらCDなんて聴かないかな・・・と放置していたのですが
本棚にたくさん並ぶCDを見ていて、このままにしておくのはもったいないかなぁ~と思って。
我が家はリビング・ダイニングとキッチンが同じ空間にあるので、リビングの隅っこにおいてます。

(自分の好きな曲が流れていると
面倒くさい食事の後片付けが心穏やかに済ませられて、新調してよかった~~と思っています。)

たくさんのCD と書きましたが
私の好みはものすごく偏っていて
ほぼクラシックで、そのなかでもピアノ曲またはピアノ協奏曲が9割をしめています。
ピアノストはほぼほぼウラジミール・アシュケナージ!
アルゲリッチやホロビッツもいいけれど、
私にとってはアシュケナージが神様であり、師匠(心の中でそう思ってるだけですけど)なのです。
速いフレーズをこれ見よがしにガンガン弾くプロはた~くさんいますが
アシュケナージのは、そこらへんの速弾きとはわけが違うのです。
繊細でキラキラと、まるで光の粒が空から降ってくるようなイメージ。
しかもどんな難曲も、全然難しそうではなくあくまでサラっと。本当に素敵なのです。
(彼のCD聴いて、へぇ簡単そうやん と思ってトライして、撃沈した曲がいくつもあります。。。。涙)

アシュケナージは、数年前に突然現役引退を発表しました。
もうショックでショックで寝込みそうでしたが(笑)、
10月に新しいアルバムを出す(J.S.バッハ:イギリス組曲 他)と、つい先日報道がありました。
病気だろうかと心配していましたが、表舞台を引退しただけだったんだ!と
ものすごくホッとしましたし、まだまだ新しいアルバムを出してくれることを願っています。

さてさて
アシュケナージでお勧めの曲は
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43
(ロンドン交響楽団  指揮:アンドレ・プレヴィン)
ピアノとオーケストラのちょっと長めの曲ですけど、
途中、キラキラと光の粒が降ってくるような箇所があります。
そしてしばらくたつと、映画やCMで使用されている有名なフレーズが出てきます。
興味のある方は是非♪

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